原子番号26

283月/112

「命の三角形」を信じてはいけない理由


この記事は「命の三角形」で述べられていた、「自身の時に机の下や車の中にいてはいけない。 すぐ横に入れば助かる可能性が高い。」という内容についての反論記事の翻訳になります。

命に関わることですので、このような情報は誰がどのような根拠を元に発信しているか確認して下さい。

記事原文は元記事からもリンクされてますが下記にあります。
http://www.snopes.com/inboxer/household/triangle.asp
ちなみにこのサイトは「都市伝説」について語るページです。

リンク先の参考文献、というかコップ氏についてかなりきつめの批判をしている外部記事の翻訳はまだ行っていませんので英文のままです。

専門家による Doug Copp の記事への批判」の翻訳も行いました。

------------以下翻訳--------------
上記の自称"熟練レスキュー"のダグ・コップによって示された地震時の安全確保方法[命の三角形]がすべて間違っているかどうか私たちには言えません。 しかし読者がこの記事(特に"隠れて潜る"方法を選んだ人が全員死んだというアドバイス)を眉に唾をつけて読んだほうが良さそうな説得力のある理由はいくつかあります。

1) アメリカ赤十字の災害対策専門家達は「トルコなど別の国での地震の経験から得た見地を建築基準が根本的に異なるアメリカでは適応できない」と論じています。

我々アメリカ赤十字では地震時の対策について調査・研究の分析を長年にわたって行っています。 我々は専門的・学術的研究組織であるカリフォルニア州政府危機管理局,カリフォルニア州地震防災委員会の広範囲に渡る研究の恩恵を受けています。同研究では推奨されている"伏せて潜ってしっかり掴まる!"方法についても研究されています。 個人的にも1933年の大地震よりカルフォルニアで行われてるこの地震教育の恩恵を受けています。

コップ氏の主張が見落としているのは,「伏せて潜ってしっかり掴まる!」は合衆国の建築基準に基づく合衆国での推奨であるという点です。 ですが多くの調査で"伏せて潜ってしっかり掴まる!"方法により多くの命が合衆国内で救われていることが確認されています。 技術研究では他国では半壊・全壊するような揺れでもアメリカの建物はほとんど倒壊しないことが実演されています。大地震で一つの建物が半壊し、数千の建物が無傷で残った時に半壊した建物の写真だけをウェブサイトで公開する事は不適切であり誤解をまねく物となります。

2) ダグ・コップ氏の調査方法と結論は他の災害対策専門家によって批判されています。

コップはトルコで自身が体験した"実験"をその証拠としていますが、残念ながらあまり知られていないことですがこれは全くもって"実験"などではありません。 どちらかといえば任意団体の捜索・救助訓練です。トルコにいる私の同僚は解体予定のビルを捜索・救助訓練のために利用したのですが、その時の訓練ではマネキンが建物内のいくつかの場所に配置され、実際にいくつかのマネキンが大きく頑丈な物の横で無傷で見つかることがありました。

さて、では何が問題なのでしょう? 彼の主張が正しいように思えます。 問題点は単純なことです。 ビルをパンケーキ崩壊させるために訓練では柱を破壊しました。 つまり地震の再現を全く"していなかった"のです。 地震は波なので横揺れを生じ、その横揺れによって様々な損害を引き起こします。 訓練では横揺れを全く再現していないのですから、地震の際に何が起こるかがこの実験からでは何もわからないのです。

3) ダグ・コップはワールドトレードセンターでもレスキュー活動を行ったと主張しています。 『彼はこの時した(と一応は言われている)怪我の補償で65万ドル(当時の円ドル相場で7600万円)を受け取っている』
Albuquerque[アルバカーキ] Journal(米国の地方メディア)はいくつもの記事で彼がレスキュー活動の専門家というより利己的な日和見主義者だと述べています。

自称レスキューの第一人者のダグ・コップの話によると彼のレスキューは非常に重要なためニューヨークへ入ることだけでなく離陸禁止の民間航空輸送の使用が認められていたらしい。彼はレスキューで中心的な役割を果たし、生存者・被害者の捜索のために"毒のスープ"の中を勇猛果敢に進み、そのためにうけた恐ろしい負傷の功績として65万ドル近くを受け取っている。 だが、コップが本当にレスキュー活動をしていたという証拠は乏しく、彼が補償金を受け取るべき人間があるかどうかは疑わしい。
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ダグ・コップは64万9000ドルを免税で9/11テロの補償基金団体より受け取っている。 彼はそれが十分ではないと言うが、そもそも彼が何かを受け取るべき人間なのかどうか疑わしい。 メディアの調査によるとコップが本当にニューヨークでレスキュー活動をしていたという証拠は乏しい。 彼が瓦礫の山に向かった理由は、メディアに売るためのビデオを撮ることだったのだ。 彼は治療が受けられる場所を探していたと言うが時間に矛盾が生じる。 コップのデマカセの典型的な事例である。

(他の数多の Albuquerque Journal の記事ではコップ氏と関わった人達の不平と彼が合衆国司法省の詐欺対策課に捜査されてる事が記述されています。)

どうかアメリカ赤十字やアメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency)、地震地域連合(Earthquake Country Alliance)などの地震対策専門家によって確立された安全対策にしたがって行動するようにしてください。

Last updated: 24 April 2010
------------以上翻訳--------------
訳 2011/03/28 by Tetsu
修正 2011/03/29 トルコでの実験部分 「倒壊」を「パンケーキ崩壊」に修正。
修正 2011/04/17 kagami 氏にコメント欄で指摘いただいた箇所を修正。

外部リンク一覧

アメリカ赤十字のDoug Copp の記事への返信
http://www2.bpaonline.org/Emergencyprep/arc-on-doug-copp.html
専門家による Doug Copp の記事への批判
http://www.cert-la.com/RejoinderToDougCopp.pdf
Albuquerque Journal の記事 (PDF:68ページ)
http://www.abqjournal.com/terror/copp.pdf

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Comments (2) Trackbacks (0)
  1. 貴重な情報ありがとうございます.より正確を期すため,以下の訳文の修正をご検討頂ければ幸いです.

    コップ氏の言及する「危険な方法」は合衆国の建築基準に基づく合衆国の推奨方法と違いがないようです。 → コップ氏の主張が見落としているのは,「drop, cover, and hold on!」は合衆国の建築基準に基づく合衆国での推奨であるという点です.

    隠れて潜ってじっとする! (drop, cover, and hold on!) → 伏せて潜ってしっかり掴まる!

    経験 (experiment) → 実験

  2. 修正ありがとうございます。

    “does not seem to distinguish” の部分はそう訳せばよかったんですね…。
    experiment は完全に読み間違えてました。


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