原子番号26

46月/130

「ドイツのどこが良いか?」という質問に言葉では答えられない理由


日本に帰ってきてから実感したんだけどもヨーロッパに何年も住んでたというのは日本に住んでる人からすると非常に特異なことがらのようだ。

もちろん実際にヨーロッパに住んでいる人が少ないことは知っていたが、人それぞれが違う仕事をして違う人生を歩んでるから、ただ「選ぶ人の少ない選択肢」なだけだと思っていた。でも「ドイツに5,6年住んでました。」と自己紹介すると、人によっては「火星で火星人と畑を耕してました。」ぐらい異質な物を見る目になる。自分の人生には絶対に有り得ないものだと、なにか特別な力ないとできないことだと心の底から思ってしまっているようだ。

そんな人達に少しでも海外で生活するというのはそれほど難しいことでもないと知ってもらいたくてこんな文章を書いてる。

海外の危険性

まず海外に住んだことのない人が一番に心配することは安全性だ。確かに総合的に見て日本の治安は良いけど、海外だってすべての場所が危険なわけじゃない。例えばドイツに住んでて日本より治安が悪いと感じたことはほとんどない。

もちろんドイツでも殺人事件や暴行、それにテロの心配もあるけど日常的に心配するようなことじゃない。ニュースになるのがひどい事件なのでその印象が強く残ってしまってるだけで普段の生活は非常にのほほんとしてる。

日本だってニュースだけ見てたら放射線に汚染されて隣の国からミサイルで狙われてるし、無実の人間は警察に捕まって社会的に抹殺される。窓ガラスが割れるほど人間を電車に詰め込み、その電車には毎日人が絶望して飛び込みを行う。幼児は虐待されるか、そうじゃなければ性的な対象として消費され中高生達は金を目当てに自ら体を売る。そんな印象になってしまう。

大体そんなもんだ。ニュースは何か特別なことがあったから放送するんだから、ニュースだけでその国のことを知ろうと思ったら異常な所しか見えなくなってしまう。

日本の安全性について語るとき「席を取るのにカバンを置いても盗まれないのは日本だけ。」と言うのがあるけど、あれも風習が違うだけで逆に日本だと危険だからできないけどドイツなら安心してできる行為もある。

たとえばオープンカフェで支払いをする時に出された伝票にお金を挟んでそのまま立ち去って行く習慣なんて日本だと信じられないだろう。だってテーブルの上に置いてるだけなんだから誰でも簡単に盗めちゃう。でもこのお金を誰かを盗んだところなんて見たことがない。それこそホームレスの人達がウロウロしててもそのお金に手を付けたりしないんだよ。

他にも買い物の時に買い物かごを使わずに自分のバックにそのまま入れてレジの時に出してもいいんだよね。日本だと万引きされる危険性があるので絶対にできないけどドイツだとみんな普通にしてる。これって「日本人は窃盗犯が多い」という訳じゃなくて単なる文化の違いだと思うんだよ。置引きや万引きをする犯罪者たちにも変な言い方だけど無意識で共有してる”モラル”みたいな物があってそれが国によって違うからこんな違いが生まれるんだと思う。

英語なんて喋れない!

次に海外に出て行く人が心配してる事が「英語は中高6年、大学入れれば10年も勉強してきたのにさっぱりできない。」という英語恐怖症だ。まず英語圏以外の人達は英語ではなく現地語をしゃべってる事を思い出して欲しいのだけど、ドイツ語を喋りましょうなんていうと「なおさら無理だ!」という反応になる。

これについては何度も何度も言ってるんだけども言葉はちゃんと勉強すれば誰でも最低限必要なぐらいはできるようになる。それこそアジアで毎日ヤバい葉っぱ吸いながら脳みそがとろけはじめてて小学校の算数がヤバい日本人とかでも言葉はなんとかなるんだよ。いや、あの人らの言葉はちょっとアレだけどもさ。

この「意外とどうにかなる。」という感覚はアジアでも1ヶ月ぐらい旅行するとわかるのでとりあえず行って欲しい。こればっかりは体験して見るほかないんだと思う。

言葉を学習するときに大変なのは、この「意外とどうにかなる」を「自分の考えをちゃんと文章として述べる」にレベルアップさせる所なんだけど、日本の英語学習は前者を体得する前に後者を始めちゃうのが問題なのかもしれない。数学で方程式を覚える前に微分積分を習うような感じでさ。

日本人が英語をできない理由は他にも色々あるけど、これは英語学習についての文章じゃないのでそこは省略しとく。

外国語が上達するかどうかの鍵

ドイツに長いこと住んでて色々な日本人にあったけど、なかなか上達できない人とそれなりに話せる人の違いはだれにでもわかる簡単な違いだった。週2でドイツ語学校に通ってる人は1,2年で「私にはドイツ語の才能が無い。」と諦めてしまって、週4,5で通ってる人は「大体はなんとなくはわかる。」という状態になる

「ドイツ語の文法は難しいから。」とか「そんなに長くドイツに居るつもりはないからやる気があまりでない。」とか色々な理由をみんな口にするけど、要は毎日ドイツ語学校に行けば誰でもそれなりに話せるんだよ。

なのでドイツじゃなくても現地で言葉を学ぼうと思ってるなら最低でも3ヶ月は週5で語学学校に通える環境を作ったほうがいい。ある程度のレベルまで達すると週2の語学学校でも十分に効果があるんだけど、レベルが低いと覚える速度より忘れる速度のほうが速くなっちゃうんだ。全く上達しない訳じゃないけど、自分の成長が実感できないとやる気が続かないからね。

ドイツの良いところ

「そこまで頑張ってドイツに行く意味があるのか?」と質問にされたら「残業が基本的にない。」とか「ビールが安くて上手い。」とか「社会の空気が日本より明るい。」とか色々と個別に理由を挙げれるんだけど、どれも違う気がしてる。

たとえばコンピュータ関連の仕事をするなら東京がいいと言われてるけど、じゃあ「何がいいか?」と聞かれると結構困る。求人は少なくても実際に他の都市でSEやプログラマーで働いてる人はいるだけだし勉強会の開催やコワーキングスペースなどもある。統計的な数字で示すこともできるかもしれないけどそんな数字で人の心が動くとは思えない。この言葉はあまり好きじゃないけど、結局は東京に来てみてその「空気」を感じるしか無いんじゃないかと思ってる。

同じように「ドイツの何が良いか?」と聞かれてもこれといった特定の答えを示すことは自分にはできそうもない。「とりあえずワーホリで3ヶ月住んでみてよ。」と言って、後はいつどうやって行くかの相談にでものっていたい。

だって自分と違ってドイツに住んでても「早く日本に帰りたい!」と言ってる人はいるからね。結局はその土地があうかどうかはその人次第なんだよ。でも、もう日本のこの押しつぶされるような破裂寸前の風船をみんなで回し持ってるような空気に耐えられないという人はぜひとも一度ドイツに住んでみて欲しい。幸いにも日本人のパスポートは色んな国に簡単に入れるんだし、他の国に行くためのお金も貯めやすいんだからドイツじゃなくてもいいから一度海外に行ってみようよホント。

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